新型コロナウイルス感染症により、教育業界にも多くの変化が起きています。
今回はその変化と、その変化に伴う大学の授業料について考えていきたいと思います。
どちらが正解ということではなく、学生の立場や大学の立場も踏まえて考えていきましょう。
新型コロナウイルス感染症拡大による教育業界の変化
新型コロナウイルス感染症の拡大により、教育業界のみならず、多くの業界に大きな変化が起こりました。
今までの当たり前だった生活が激変し、ソーシャルディスタンスと呼ばれるようなこれまでの距離間での生活ができなくなっています。
これにより、飲み会であったり、旅行であったりと人々の息抜きの場が制限され、窮屈な生活となっているでしょう。
また、これらの仕事に従事されている方は日々の生活をも脅かされていることと思います。
それでは、教育業界にはどのような変化が行っているのでしょうか。
幼稚園・小・中・高等学校は対面授業を再開
このような状況でも、既に幼稚園~高校まではいわゆる「3密」を避け、感染症対策を行いながら、対面授業が再開されています。
これまでZoomでの授業を行いながらも、少しずつでも対面授業が再開されていることは、生徒さんは心配もありながらも、友達と再開できた喜びは大きかったのではないでしょうか。
大学は当面オンラインが継続される
大学の授業については、前期はほぼ全ての大学がオンライン授業を実施しており、秋学期もこの傾向は続くような気がします。
現時点(2020年7月23日現在)で、後期の授業形態については、大手私立大学の状況を見ていきましょう。
早稲田大学
9月25日(金)から開始される秋学期授業は、オンライン授業を基本としながら、三密を避け、ソーシャルディスタンシングを前提とした教室利用を行うことで、教室、教場での授業を一部再開いたします。

慶應義塾大学
記載なし
明治大学
記載なし。7月末までに発表予定。
青山学院大学
9月14日(月)から開始される後期授業期間につきましても、原則としてオンライン形式で授業を実施することを決定いたしました。
ただし、各学部・研究科において対面授業が必要不可欠と判断した場合には、大学と大学院のそれぞれに定める方法に基づき、対面授業実施を可能といたします。学部における対面授業は、実験、実習、演習等の限られた科目のみとなります。
https://www.aoyama.ac.jp/post05/2020/news_20200709_03
立教大学
2020年度秋学期の授業は原則オンラインで実施することとしますが、感染防止策を充分に講じたうえでキャンパス内での対面授業も一部の科目で実施します。
https://www.rikkyo.ac.jp/news/2020/07/mknpps0000019nsc.html
中央大学
2020年度後期(秋学期)については、継続してオンラインによる遠隔授業を実施します。
https://www.chuo-u.ac.jp/news/2020/07/48178/
法政大学
記載なし
全ての大学がオンライン授業を継続
早く学校に通いたい学生にはショッキングなお知らせだったかもしれません。
多くの大学で一部対面授業を行いながら、オンライン授業を継続するという発表がありました。
ただ、一部対面授業を再開するという大学が多いので、少しずつ、感染リスクを抑える対策をしながら学校に通うことができるかもしれません。
また、多くの大学で対面授業を再開した場合でも、オンラインで授業を受講できる仕組みを作るようなので、首都圏の感染リスクを考えて、通学をしたくないという人もこれまで通りオンラインで授業を受けることができそうです。
大学だけここまで対応が慎重な理由とは
高校までの教育機関と大学を比べると、大学は規模が違いすぎることが原因だと思います。
高校であれば、1学年200名~400名程度かもしれませんが、マンモス大学は全学年で2万~4万人が在籍しています。
1学年で考えても5000人~1万人と考えても、その規模の大きさがわかります。
仮に新型コロナウイルスが発症率が1%だと仮定しても、数百人が感染することになり、併せて教職員が活動しています。
関西大学は原則対面授業とすると発表
【良い意見】
https://twitter.com/pienmaru1611/status/1285526081240313857このように、大学にいける喜びの半面、感染リスクを懸念する意見も多くありそうです。
大学の学費返還運動
さて、学生の多くは、このように多くの大学がオンライン授業を継続する中、

とほとんどの学生が思うのではないでしょうか。
学費返還運動が活発になったことにより、複数の大学が、学費に対する考え方をHPに公表しています。
ここでは、初期段階に公表した早稲田大学のHPを紹介しておきます。

・4年間の単位の総数を1年ごとに等分している
・対面授業がなくても施設の維持に費用がかかっている
(図書館や研究用の電子ジャーナルなど)
・オンライン授業のための通信費用がかかっている
・施設の将来的な更新や維持に費用がかかっている
概ねこのようなところでしょうか。
この説明はほぼ全ての大学が同じような主張をしていますので、大学のオーソドックスな考え方なのでしょう。

単位に対する学費という考え方
ここで、早稲田大学の学長が言われている単位に対する学費という考え方はどうでしょう。
大学は学生は単位に対して学費を払っていると主張します。
確かに、学生はオンライン授業を受けることで単位を付与されています。
これを言われたら多くの学生が悲鳴をあげそうですね。
でも大学としては、オンライン授業として、単位を認めるだけの授業を行っている。
だから、学費についても変更をしません。ということのようです。
各大学で通信環境などを支援する動き
一方で、さすがに学生からすればこれ以上の負担をしたいないという声や、各大学の検討の中で、オンライン授業を受けるための支援として、一部負担する動きも出ています。
大学によっては、全員に1万であったり、3万円であったりとまちまちです。
また、緊急に支援が必要な学生を対象に10万であったりと、各大学の対応はまちまちです。
秋学期のオンライン授業が継続される場合は、追加的に支援があるかもしれません。
萩生田大臣のコメント
7月21日に文科省は、少しでも対面授業を実施してほしい旨の会見を行いました。
ただ、実際の各大学の状況を考えると、オンライン授業を中心とし、少数授業を対面授業とする流れは変わらないかもしれません。
新型コロナウイルスの影響で、多くの大学がキャンパスを開放せずオンラインでの遠隔授業にとどめていることを受け、文部科学省は21日、夏休み明けの授業の実施方針などを早期に公表するよう、全国の大学に求めることを明らかにした。適切な感染対策を施した上で、可能なら対面授業の再開や、遠隔授業との併用を促す考えだ。
https://news.yahoo.co.jp/articles/280a2f44c6c72bfcb3fcda6b0f7327e9fbbaeb0d
まとめ
新型コロナウイルスの拡大は、もちろん学生のせいではありません。
これにより、とても多くの楽しみが奪われてしまいました。
休み時間に学生ラウンジで世間話をする時間がなくなったことで、心の拠り所を失った人もいるでしょう。
1年生は、これから始まる新しい生活に胸を躍らせていたでしょう。
新しい友達もできず日々家にこもる日々で精神も限界だと思います。
学費の返還活動を行うことは学生の権利でもあると思います。
ただ、SNSでも大学に全てを奪われたと発信する人もいます。
本人にとっては、大学に全てを奪われたと思うかもしれませんが、大学にとっては、学生の命を守る判断だと思います。
学費の返還活動やオンライン授業に対する意見はどんどん行うべきだと思います。
しかし、その主張は「対話」によってより良くするためということを忘れないようにしましょう。