大学に起こる少子化の影響 ~生き残る大学と生き残れない大学~

年々騒がれている少子高齢化について、先進国を中心に問題となっていますが、大学にとっても少子化は非常に大きな影響を与えます。

今回はこの少子化を中心に紹介をしていきます。

少子高齢化とは

少子高齢化とは、その名の通り、子供の人口が減り、高齢者(65歳以上)が増える現象で、医療の発達などにより、平均寿命が上がる一方で、出生率が下がることで起こります。

出生率が下がる原因として、女性の社会進出による晩婚化や景気が悪くなり子供を産まなくなる、また、娯楽の多様化などにより、子供を産み、育てること以外の生活を望む人が増えたことが挙げられると言われています。

少子高齢化になるとどのような影響がある?

今や少子高齢化は先進国にとって、いわゆる「当たり前」の傾向ですが、少子高齢化によってどのような影響があるのでしょうか。

まず労働人口が減ることによって、少ない若者(労働者)で多くの高齢者を支えていく必要があります。高齢者を支えるための保険料や年金は年々増加していくでしょう。

また、学校や地域、家族など、多くのコミュニティの中で子供が減少すると、従来育まれていた社会性が身に付きにくくなるなどの、子供自身への成長にも影響を与えると言われています。

大学における少子高齢化とは?

日本全体で見る少子高齢化の影響についても、とても大きな問題ですが、大学業界ではこの少子高齢化は死活問題となります。

大学の主な収入源は、入学検定料と学費にあります。

学費収入については、入学定員が定められていますので、定員を確保できている大学はそこまで影響はありません。

しかし、入学検定料については、受験生の絶対数が減るということは、大学への進学希望率にもよりますが、各大学への志願者数は減り、入学検定料も減収する大学がほとんどになります。

各大学は、生き残りをかけ、様々な方法により、志願者を増やすことに躍起になっています。

今度の日本の大学は、より受験生から選ばれる大学を目指す必要があり、単なる偏差値だけなく、教育力や立地、面倒見の良さなど、多くの要素を今まで以上に高める必要があります。

また、留学生確保のための国際化への対応についても迅速に行う必要があります。

大学の定員充足率がやばい!?

少子化になるとその分受験をする生徒も減ってきます。

しかし、大学の数は一向に減らず、年々増加しています。

すると、当然のごとく収容定員を満たすことができない大学が増えていきます。

収容定員とは、大学がその教員組織や校地校舎等の施設などに照らし、受け入れることができる学生の数のことを指します。
この収容定員を満たさない私立大学は約4割~5割と年々増えており、一方で、国からの補助金(特別補助と呼ばれるもの)は、この定員割れをしているほど、配分が手厚いことも問題となっています。
そこで、財政制度等審議会歳出改革部会(財務省にある検討部会)では、今後、定員割れを起こしている大学への補助金の交付について、見直しや厳格化を図ることを検討しているようです。
また、短期大学については、7割もの大学が定員を満たすことができていないとされており、今後の大学・短期大学の存続が危ぶまれています。

少子化の今度の見通しは?

大学業界は、高校三年生の年齢である18歳人口を基準にすることが多いです。

この18歳人口については、1992年(平成4年)の205万人から減少が始まり、2014年(平成26年)には118万人にまで減少しました。その後、多少持ち直しましたが、2018年(平成30年)以降は再び下降を始めます。2031年には100万人を切るとも言われており、2018年以降からの18歳人口の減少はとても大きな影響を与えると言われています。

これは「2018年問題」とも言われています。

既に、4割程度の大学(学部)で定員割れが発生しており、今後の大学経営は、生き残りをかけた転換期になると言われています。

大学の合併や譲渡とは

こうした大学経営の危機に対して、文科省は、学校法人全体を譲渡するという方法以外に、私立大学間で学部単位での譲渡が可能となったり、公立私立の垣根を越えて、複数の大学で連携推進法人を作ったりと、大学経営の支援策として、いくつかの枠組みを検討しています。

少子化の影響~地方の救済政策とは~

こうした少子化の影響を受ける大学の中で、特に地方部の大学は非常に大きな影響を受けています。大学生が首都圏に集中することは以前から問題視されてきましたが、少子化の影響により、地方大学ではなく、首都圏への大学に進学を希望する大学が増えています。

若者が地方から減ってしまうと、アルバイトでも労働人口も減ることになり、どんどん首都圏と地方の格差が開く結果となってしまいます。

そこで、内閣府は「地方と東京圏の大学生対流促進事業」といった取組みを行っています。

地方の若者人口(15歳~29歳)は、2000年から15年間の間で3割ほど減少していると言われている一方で、首都圏への転入は年々増えており、首都圏への一点集中を避けるための方策として提案されています。

この事業の主な主旨としては、地方と首都圏の学生がお互いを行き来し、双方を経験し、地方への新しい流れを生むとともに、地方創生、地方活性化の実現に繋げることを目指しているようでうす。

まだ具体的に多くの大学が名乗りを上げているわけではないようですが、今後こういった取組みの中で、多くの若者が地方で活躍することを期待しています。

新型コロナウイルス感染症の拡大による影響は!?

少子化の問題に加え、新型コロナウイルス感染症の拡大により、多くの大学が危機に陥っています。

オンライン授業を余儀なくされましたが、急にオンライン授業に対応できるわけではなく、多くの大学が情報ネットワークの強化や追加を行っています。

この情報関連の費用は非常にコストがかかります。

学費を値上げしないと対応できないような状況ですが、オンライン授業を行っていることによる教育の質の低下は否めなく、学費を上げることは到底できません。

これに加え、授業料の減額や、支援策の強化を行うことにより、これまで以上に費用が拡大しています。

また、新型コロナウイルスにより父母の収入も減少しており、大学に進学せずそのまま就職する生徒も増加する可能性もあります。

このように大学の置かれた状況はますます厳しくなります。

各大学は、これまで以上に魅力ある大学を目指す必要があります。

最後に

いかがでしょうか。

少子化の影響は教育業界においては、死活問題的な要素を抱えています。

最近は、留学生や社会人の学び直しなどにより、日本の18歳以外にも目を向ける大学も増えてきました。

そうはいっても、多くの大学で定員を埋めることができない現状が続いています。

今後の生き残りのためにも、各大学はより一層の経営努力を行う必要があるでしょう。

>教育のススメ

教育のススメ

多くの方の参考となるため,日々更新を続けていきたいと思います。分野が複数ありますが,興味があるものだけでも見てください!

CTR IMG