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【面接対策】私立大学の科目コマ数から大学職員的思考を考える

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Cくん

大学職員の面接で知ってたら良い知識ってなに?

新卒・既卒の方に関わらず大学業界と大学職員的思考という観点から「私立大学の科目コマ数」をテーマに紹介します。


本記事の内容

・大学業界と大学職員的思考
・私立大学の科目コマ数とは
・大学職員としての課題の捉え方


本記事の信頼性

2人の現役職員が新卒・中途採用それぞれの立場から紹介していきます。

大学職員を知るにはまずはこちらから

目次

私立大学の科目コマ数とは

大学職員になるために知識として具体的な例を紹介します。

今回のテーマは各大学の科目コマ数についてです。

メリットはこんな感じです。

<学生目線>

授業科目が多ければそれだけ選択できる幅が広がる

<教員目線>

特に非常勤教員や若い研究者の教鞭の機会を設けることができる

科目コマ数が多いことのデメリットとは

ここからが、今回の大学職員目線の観点になります。

確かに科目コマ数が多いことはメリットが多いように感じますが、デメリットもあります。

大学職員は学校法人から雇用されていることもあり、教育研究のことだけでなく、経営についても考える必要があります。

授業を開講するには、担当してもらう教員の手配が必要です。

たろう

可能な限り多くの科目コマ数を提供することは大切なことですが、肥大しすぎることで人件費も考える必要があります。

大学職員としての課題の捉え方

メリットとデメリットを紹介しましたが、実際の各私立大学の情報はどのようになっているのでしょうか。

他の課題についても同様ですが、以下のステップを前提に考えていきましょう。

<ステップ1>

課題の概要(メリット・デメリット)を掴む

<ステップ2>

各大学の具体的な数値(客観的根拠)を掴む

<ステップ3>

ステップ1・ステップ2を踏まえて、大学職員としての意見をもつ

ステップ3までできれば、面接時で質問されてもしっかりと答えることができます。

たろう

このように大学職員の面接では、単なる能力以外にも、大学業界の知識に加え、根拠、考え方を対策することで、合格率は一気に上昇すると思います。

各大学の科目コマ数の状況とは

では、ステップ2に戻ります。

各大学の具体的な数値については、他の大学業界系ブログから収集することもできますが、可能な限り根拠のある数値を得るようにしましょう。

文科省のHPや、日本私立大学連盟(通称私大連)、日本私立学校振興・共済事業団(通称私学事業団)にあるデータがオススメです。業

また、詳細データは大学職員になり、承認をもらうことで確認できるものもあるのですが、基本的には外部公開していないデータなので、今回のものは一般公開されているデータを活用しようと思います。

スーパーグローバル大学創成支援事業(SGU)からのデータ活用

スーパーグローバル大学創成支援事業(通称SGU)という文科省から採択される補助金事業があります。

この事業はいわゆる国際化に取り組み大学を支援するもので、タイプAとタイプBに分かれています。

タイプAは国立大学が中心となりますが、私立大学では早稲田大学と慶應義塾大学が採択されています。

また、タイプBでは、上智・東洋・法政・明治・立教・創価・立命館・関西学院大学が採択されています。

たろう

SGUに採択されていることが、「国際化を推進する大学」の根拠としても使えます。

この事業では、採択大学ではフォローアップということで、目標値や実績値を公開しており、国際化に関する指標以外にも学生数や科目数なども確認することができます。

実際のフォローアップに関するサイトはこちら

データからわかる各大学の科目数

フォローアップの中身自体は結構ボリュームがあるので全ては紹介しませんが、その中で学生数と科目数の記載がある部分を抜粋してみます。

大学名科目数学生数学生1人あたりの科目数
慶應義塾大学9,70233,8400.29
早稲田大学19,48649,1720.40
上智大学7,61813,8980.55
東洋大学13,87531,3200.44
法政大学9,94929,5670.34
明治大学15,42732,9350.47
立教大学7,72720,5050.38
創価大学5,0607,4320.68
立命館大学12,19836,6910.33
関西学院大学10,40625,5330.41

※科目数:2020年度通年
※学生数:2020年度通年
※大学院の学生数・科目数を含む

各大学の情報を抜粋してみるとこんな感じになります。

この数値には大学院も含まれているので、若干見たい数値とは差異があるのですが、傾向としては大きな違いはありません。

この学生1名あたりの科目数をみると、大学ごとの科目数の割合の違いを見ることができます。

学生1名あたりの科目数の見方

ちょっとわかりにくいのですが、「学生1人あたりの科目数」の数値が高い方が「科目数が多い」と言えます。

学生数の違いはありますが、比率でみると創価大学、上智大学、明治大学、東洋大学、関西学院大学の順で科目率が多いです。

たろう

このように、公開されているデータから学生が選択できる科目の割合が高い大学を把握することができます。

大学職員的な目線から見てみる

最後のステップ3として、この数値を見て面接でどのように答えることができるでしょうか。

私であればこんな感じの回答案を考えます。

Cさん

授業科目数が多いことは良いことだと思いますか?

<回答例>

ーー(必要に応じて)

大学の規模や設置キャンパスによって異なりますが、貴学においては、学生1人あたりの科目数が(多い・少ない)と言えます。
このことは、スーパーグローバル大学創成支援事業のフォローアップ資料からも読み取れます。

ーー

確かに科目数が多いということは、学生が授業を選択するうえで非常にメリットがあると思います。

しかし、大学運営の観点からみると、人件費がひっ迫する原因にもなりえます。

また、教員1人のあたりの授業担当が増えすぎると、研究をする時間が減少したり、1つあたりの授業の質が低下したりといったことも考えられます。

そのため、大学において適正となる科目数を設定し、学生にとっても教員にとってもベストな科目数に近づけることが必要だと思います。

<ステップ1>

課題の概要(メリット・デメリット)を掴む

<ステップ2>

各大学の具体的な数値(客観的根拠)を掴む

<ステップ3>

ステップ1・ステップ2を踏まえて、大学職員としての意見をもつ

いかがでしょうか。

始めにあったステップ1~3について、ある程度回答できたと思います。

たろう

学生の目線だけでなく、大学全体や教員の目線を入れることで、大学職員としての資質や、業界研究の結果をアピールすることができます

大学職員になるために見ておくべき参考サイト3選

大学業界では定期的に見ておくべきサイトというものがあります。

その中でもオススメの3選サイトを紹介します。

1. 文部科学省HP

教育業界の原点であり教科書でもあります。

とにかく迷ったらここに答えが書いてあります。

しかし個人的には文科省のHPは導入としては少し難しいと思います。

大学業界を目指すにあたって、ある程度の知識が得るまではHPにどういうものが掲載されているのかを眺める程度で良いと思います。

たろう

面接までに、深堀りできるテーマを複数作れると良いですね。

文部科学省HPはこちら

2. Between 情報サイト

株式会社進研アド(ベネッセホールディングス)が運営するサイトです。

テーマごとに文科省が発表した内容などの概要や取り組み事例などをわかりやすく紹介しています。

たろう

入社1年目から定年までめちゃくちゃお世話になります。

Between 情報サイトはこちら

3. 大学ジャーナルオンライン

ユニバースケープが運営するサイトで、大学および高等教育関連ニュースの専門メディアです。

日本各地の大学の研究成果や取り組み、入試制度改革や教育行政などのトピックスを記事化し、リアルタイムで配信しています。

たろう

各大学の具体的な取り組みがわかるので、深堀りしていくときに最適です。

大学ジャーナルオンラインサイトはこちら

参考サイトの読む順番

読む順番としては、

まずは2の「Between 情報サイト」が良いと思います。

理由としては、とっつきやすい問題が多いからです。

というのも現在の大学業界の状況や、文科省が発表した情報をタイムリーに背景も交えて紹介してくれるので、内容自体がわからない場合でも大きく網羅することができます。

たろう

ある程度Betweenで勉強が出来たら、文科省のHPや大学ジャーナルオンラインを併用していきましょう。

大学ジャーナルオンラインはどちらかというと、大学職員になってから活きてくる面が多く、実際の各大学の取り組みなどが多く記載されています。

大学ジャーナルオンラインは志望動機を書くとき、実際の取り組みを調べたい場合に重宝します。

そして、最終的には文科省のHPです。

結局何かを引用する場合は、この文科省HPが全てです。

たろう

時間がないまま面接に臨む場合は、「Between 情報サイト」だけでも目を通してくださいね。

大学職員の面接全般はこちらも

まとめ

今回は、「私立大学の科目コマ数」をテーマに紹介しましたが、それぞれのテーマに対する考え方は同じです。

面接時はいかに

大学業界と大学職員的思考という観点から見ることができているか

を見られています。

<ステップ1>

課題の概要(メリット・デメリット)を掴む

<ステップ2>

各大学の具体的な数値(客観的根拠)を掴む

<ステップ3>

ステップ1・ステップ2を踏まえて、大学職員としての意見をもつ

どんな課題でもこのステップ1~3を忘れずに考えましょう!


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