早慶マーチって言葉をよく聞くけど、具体的にどこの大学を指すの?それぞれの特徴って何?
こんな悩みを解決します。
本記事の内容
・早慶マーチと呼ばれる大学とは
・それぞれの大学の特徴と印象
本記事の信頼性
今回は、早慶マーチについてご紹介します。
私立大学に進学することを考えている方は一度は意識するであろう、早慶・マーチと呼ばれる大学について紹介していきます。
この早慶マーチの名称は、
早慶 = 早稲田大学・慶応義塾大学
マーチ(MARCH) = 明治大学・青山学院大学・立教大学・中央大学・法政大学
※それぞれの頭文字をとっています。
を指しています。
これらの大学はよく比較されることが多いのですが、一体どのような特徴や違いがあるのか、
どの大学を選択するべきなのか、これらについて一部完全な主観が含まれていますが、参考になればと思います。
早慶マーチの基礎情報とは
まずは、それぞれの大学の基本情報を確認していきましょう。
比較されることが多いこれらの大学の共通点や相違点から見えてくることはどこでしょうか。(2019年8月24日時点の情報)
大学名 | 早稲田 | 慶応義塾 | 明治 | 青山学院 | 立教 | 中央 | 法政 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
創立年度 | 1882年 | 1858年 | 1881年 | 1874年 | 1874年 | 1885年 | 1880年 |
創立者 | 大隈重信 | 福澤諭吉 | 岸本辰雄 宮城浩蔵 矢代操 | キリスト宣教師 | アメリカ聖公会宣教師チャミング・ムーア・ウィリアムズ主教 | 18名の少壮法律家 | 金丸鉄 伊藤修 薩埵正邦 |
学部数 | 13 | 9 | 10 | 12 | 10 | 8 | 15 |
学部 | ・政治経済 ・法 ・文化構想 ・文 ・教育 ・商 ・基礎理工 ・創造理工 ・先進理工 ・社会科学 ・人間科学 ・スポーツ科学 ・国際教養 | ・文 ・経済 ・法 ・商 ・医 ・理工 ・総合政策 ・環境情報 ・看護医療 | ・法 ・商 ・政治経済 ・文 ・理工 ・農 ・経営 ・情報コミュニケーション ・国際日本 ・総合数理 | ・文 ・教育人間科学 ・経済 ・法 ・経営 ・国際政治経済 ・総合文化政策 ・理工 ・社会情報 ・地球社会共生 ・コミュニティ人間科学 | ・文 ・異分野コミュニケーション ・経済 ・経営 ・社会 ・法 ・観光 ・コミュニティ福祉 ・現代心理 | ・法 ・経済 ・商 ・理工 ・文 ・総合政策 ・国際経営 ・国際情報 | ・法 ・文 ・経営 ・国際文化 ・人間環境 ・キャリアデザイン ・デザイン工学 ・グローバル教養 ・経済 ・社会 ・現代福祉 ・スポーツ健康 ・情報科学 ・理工 ・生命科学 |
学生数 (2018年5月1日時点) | 41,051 | 28,712 | 30,701 | 17,906 | 19,379 | 24,584 | 29,034 |
キャンパス | 早稲田 戸山 西早稲田 喜久井町 日本橋 東伏見 所沢 本庄 北九州 | 三田 日吉 矢上 信濃町 湘南藤沢 芝共立 | 駿河台 和泉 生田 中野 | 青山 相模原 | 池袋 新座 | 多摩 市ヶ谷 後楽園 | 市ヶ谷 多摩 小金井 |
偏差値 | 67〜83 最小:スポーツ科学 最大:政治経済 | 69〜85 最小:看護医療 最大:医 | 63〜75 最小:総合数理 最大:法・政治経済・文 | 62〜79 最小:理工 最大:文 | 61〜76 最小:文 最大:異文化コミュニケーション | 59〜79 最小:文 最大:法 | 58〜75 最小:理工 最大:グローバル教養 |
付属校 系列校 一貫校 | ・早稲田大学高等学院(中等部) ・早稲田大学本庄高等学院 ・早稲田実業学校(初等部・中等部・高等部) ・早稲田中学・高等学校 ・早稲田渋谷シンガポール校 ・早稲田摂陵中学校・高等学校 ・早稲田佐賀中学校・高等学校 | ・慶應義塾幼稚舎 ・慶應義塾中等部 ・慶應義塾女子高等学校 ・慶應義塾普通部(中学) ・慶應義塾高等学校 ・慶應義塾志木高等学校 ・慶應義塾横浜初等部 ・慶應義塾湘南藤沢中等部 ・慶應義塾湘南藤沢高等部 ・慶應義塾ニューヨーク学院 | ・明治大学付属明治高等学校 ・明治大学付属明治中学校 ・明治大学付属中野高等学校 ・明治大学付属中野中学校 ・明治大学付属中野八王子高等学校 ・明治大学付属中野八王子中学校 | ・青山学院幼稚園 ・青山学院初等部 ・青山学院中等部 ・青山学院高等部 ・浦和ルーテル学院小学校 ・浦和ルーテル中学校 ・浦和ルーテル高等学校 ・青山学院横浜英和小学校 ・青山学院横浜英和中学 ・青山学院横浜英和高等学校 | ・立教新座中学校 ・立教新座高等学校 ・立教池袋中学校 ・立教池袋高等学校 ・立教小学校 ・立教女学院 ・立教英国学院 ・香蘭女学院 | ・中央大学高等学校 ・中央大学杉並高等学校 ・中央大学附属中学校 ・中央大学附属高等学校 ・中央大学横浜山手中学校 ・中央大学横浜山手高等学校 | ・法政大学中学校 ・法政大学高等学校 ・法政大学第二中学校 ・法政大学第二高等学校 ・法政大学国際高等学校 |
※偏差値は、Benesseマナビジョンを参考
※学生数は2018年5月1日時点
早慶マーチを基礎情報から比較する
さて、以上のような早慶マーチの基礎情報を表に纏めてみましたが、これらのことから比較をしてみましょう。
創立年度はどの大学もだいたい同じ時期
早慶マーチの設立年度を見ると、最も古い慶應義塾大学の1858年から一番新しい中央大学でも1885年となっています。
これらの区分にある大学はとても伝統ある由緒正しい大学とも言えます。
どの大学も多くの学部がある総合大学
早慶マーチの全ての大学が多くの大学を構える総合大学であることがわかります。
法学部がとても有名な中央大学はこれまで6学部のみの設置でしたが、2019年に国際経営学部と国際情報学部の2学部を設置したことにより8学部までその数を増やしました。
中央大学が他の早慶マーチ群の中ではあまり教育改革が行われていないことが挙げられていましたが、数年後には法学部が都心回帰する計画であることを発表し、ここ数年でまた注目されています。
学部数では法政大学の15学部がトップで、学部名称を見ると、法・文・経営・経済・教養などの伝統的な名称から、キャリアデザイン・人間環境など、割と新しいとされる学部名称も取り入れています。
総合大学の良いところは、これらの分野が異なる学問でも大学内の制度で、別学部の授業を受講することができることです。
1つの専門に囚われることなく、多くの視点から多くを学ぶことが可能です。
学生数に若干のバラツキがある
早慶マーチは似ている部分が多くありますが、学生数には若干のバラツキがあります。
早稲田大学の41,051名がトップの学生数となり、続いて明治大学の30,701名、6位が立教大学の19,379名で、最も学生数が少ないのは青山学院大学の17,906名です。
学部数にはそこまで違いがありませんが、学生数が少ない分募集人数も少なくなりますので、狭き門となることが多いことには注意が必要です。
付属校の設置に違いがある
早慶マーチの中でも付属校の設置については、少々違いがあります。
それぞれの主な特徴は以下のとおりです。
早稲田大学・・・小学校から付属学校があり、大阪・佐賀、シンガポールにも付属高校を設置
慶應大学・・・小学校から付属学校があり、全ての高校から内部進学率が高い
明治・中央・法政大学・・・中学、高校と付属学校が設置されており、比較的内部進学率が高い
青山学院大学・・・小学校から付属学校があり、キリスト教系列の付属校も多い
立教大学・・・中学、高校と付属学校が設置されており、キリスト教系列の付属校も多い
これらのように早慶マーチといっても、早稲田大学のように関東地区以外に付属高校が設置されている大学もあります。
また、小学校から付属高校に入学することで大学まで一貫した教育を受けることもできるので、大学入試1回の勝負だけでなく、小学校中学校高校とプラス3回のチャンスもあると考えることもできます。
ただ、小学校から付属学校に入学するのは、比較的富裕層の方が多いとも聞きますので、それぞれの考え方のもと、どの大学で試験を受けるかどうかはしっかりと考えた方が良いかもしれません。
早慶マーチの印象とは
多くの共通点を持つ早慶マーチですが、大学ごとの特徴やカラーが異なります。
偏差値は同じでもどの大学でどのように学ぶか、という点についてはこの印象は非常に貴重なものとなります。
私の独断と偏見も多く含まれているので、最終的な判断は皆さんがオープンキャンパスや大学でのガイダインス等を通じて確かめてください。
ここでは、偏差値区分が似ている、早慶とマーチを分けて考えていきます。
早稲田大学と慶應義塾大学の印象の違い
昔は頭は良いけど苦学生のイメージが強かったです。テレビなどでも貧乏学生特集のようなものでよく早稲田大学の学生が登場していました。ただ現在はあまりそのような学生は聞かないイメージで、慶應大学と共に私立大学のトップを走るエリート学生のようです。
慶應大学と比べると庶民派で、「活発」で「明るい」学生が多いようです。
また、大学スポーツも盛んで、正に文武両道を貫く誰もが目標とする大学と言えます。
昔から慶應大学はエリート・お金持ちという印象が強く、特に幼稚舎(小学校)から入学する層は全員どこかの御曹司、という印象です。
大学から一般受験で入学する学生は十人十色で、富裕層だけが集まる大学というわけでもありません。
ただ、やはりどこか気品漂う学生多く、慶應ボーイは名前だけでもインパクトとブランド力を持っています。
偏差値の近い、日本を代表する私立大学同士ですが、なぜか早稲田大学は「庶民派」、慶應大学は「お坊ちゃん」という印象が強いです。(私だけかもしれませんが)
学部を見てみると、早稲田大学が幅広い分野を網羅し、慶應大学は早慶マーチの中では唯一医学部を持っています。
マーチの印象の比較
一方で、マーチ内での印象は以下のようになります。
良い意味でも悪い意味でも、ポスト早稲田大学と言えます。
マーチの中で一番学生数が多く、「活発」で「明るい」学生が多いです。昔から、早稲田落ちの明治と揶揄されることが多いですが、それだけマーチの中でも上位層の学生が集まる大学とも言えるでしょう。
また、7年連続で「志願したい大学(関東エリア)」1位を取得したり、就職に力を入れている大学でも毎年1位を取得するなど、その人気の高さが伺えます。
マーチの中では学生数は少ないですが、文系学生は「青山キャンパス」に通うため、必然的におしゃれな学生が集まります。
また、「英語の青山」とも言われ「文学部英米文学科」は青山学院大学の看板学科です。
ミッション系の大学で女子学生も多く在籍する大学で、マーチの中でも他にない、幼稚園免許を取得できる唯一の大学でもあります。
毎日のように表参道でランチを食べているおしゃれな大学なため、男子女子問わず、容姿が整っている学生が多いようです。
先ほど紹介した青山学院大学の印象と近いのがこの立教大学です。
女子の人数が男子の人数を上回っているのは、この立教大学のみで、文系学部に特に力を入れています。
立教大学の看板学部は、「経営学部」で、その偏差値の高さは早慶に匹敵するほどです。
また英語にも力を入れており、立教大学に入学すれば英語能力はかなり向上するでしょう。
六大学野球なども非常に人気ですが、「早稲田大学」「明治大学」などの活発系大学と比較すると、「おしゃれ系」の学生が多いようです。
メインキャンパスが多摩キャンパスにあり、マーチの中では都会から少々離れた大学と言えます。
中央大学といえば、「法学部」が非常に有名で、早慶に匹敵するほどの難易度を誇ります。
法曹界への進学の大学トップクラスで、これまで6学部のみだったためか少数精鋭のイメージもあります。
2019年度から「国際」の冠を持つ学部が開設され、「法学部」も都心に復帰するため、都心型で国際系のイメージが今後ついてくるかもしれません。
法政大学は非常に明治大学と近い大学と言えます。
それもそのはず、創立者の師匠にあたる方が「ボアソナード」という方で同じ師が基で大学が設立されています。
また学部が15学部あるため、通っている学生はバラエティに富んでいて、様々な学生と交流することができます。
初の女性総長が誕生するなど、今とても勢いに乗っている大学です。
マーチといっても、様々な印象があることがわかりました。
偏差値だけで大学を決めるのではなく、こういったイメージが自分と合っているとか、という点も大学生活を送るうえで非常に重要になってきます。
ぜひ自分の求める大学とマッチしているかを今一度確認してみましょう。
早慶マーチの呼び方が変わる可能性はあるのか
昔から呼ばれているマーチ(MARCH)という総称は、元は予備校の教員が使い始めたことが由来のようで
明治大学1名合格、立教大学2名合格
といった実績よりも、似たような偏差値群である大学を総称して、
MARCHの合格実績10名!
とした方がインパクトがあるからとも言われています。
そしてこの名称はMARCHからGMARCH(Gは学習院)とも呼ばれ方が変化しつつあります。
また、最近では、SMARTと呼ばれる大学群の総称が新設されたようです。
※上智は英語名でSOPHIAと言います。
この名称は、早慶マーチの間に位置すると言われる上智大学と東京理科大学に追いついてきた、明治・青山学院・立教が上にスライドする形で名称が変化しているようです。
しかし、その後、法政大学はここ数年の志願者数で関東一位になったり、中央大学は、都心回帰や2学部設置により、他のマーチに見劣りすることのない実績やインパクトを与えています。
そのため、SMART+CH(スマートチャンネル)と、中央と法政が追加された名称も使われているようです。
結局、MARCH の大学群とほとんど同じになってしまいましたので、以前としてMARCHという大学群の名称が今後まるっきり変わるというのはまだまだ先のことになりそうです。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
早慶マーチと一括りにしても、共通点以外の相違点は以外と多いように思えます。
大学受験では、希望する大学で入学できる人もいればできない人も当然います。
しかし、良い大学に入れたかといって、その大学で何もしなければ何も成長することはありません。
それよりも、たとえ希望する大学に入れなくとも、その大学で何を学ぶか、何を取り組むか、という点が非常に重要になってきます。
大学4年間が楽しい時間であるかどうかは、あなた次第でもあります。
ぜひ、自らがやりたいこと、学びたいことを探し、充実した大学生活を送りましょう。