昨今の大学受験の現状を見ていると、18歳人口の減少に伴い、実志願者数自体は減っているものの、私立大学の合格率は低迷し、難化傾向にあります。
2019年度入試も終了し、各大学の志願者数が決定しました。今回は2019年度入試の私立大学志願者数ランキングを紹介します。2019年度私立大学志願者数ランキングについて早速ですが私立大学志願者数ランキングを紹介します。[…]
また、2021年1月(2020年度入試)からは、従来のセンター試験から「大学入学共通テスト」に移行されます。
大学入試センターは、2020年度から始まる大学入学共通テストで、英語科目について、外部の民間試験の導入を発表しました。これにより、従来の「読む」「聞く」の2技能を評価する方式から、「読む」「聞く」「話す」「書く」の4技能を評価する方[…]
これらの入試改革の混乱を避けるためなのか、大学付属高校が年々人気傾向にあります。
今回は、早慶MARCHの付属高校のメリット・デメリットを中心に紹介をしていきます。
付属高校とは何か
いわゆる付属高校と呼ばれる高校は、簡単にいうと、大学が運営する高校のことです。
大学が運営するものは、高校以外にも、中学・小学校・幼稚舎など、大学によって異なりますが、小さい頃から面倒を見てくれる体制が整っています。
また、多くの付属高校を運営する大学は総合大学が多いため、内部進学をする場合は、多くの選択肢の中から選べることも魅力の一つです。
付属高校のメリットは?
付属高校に進学するメリットは多くありますが、特に一番の魅力は
受験勉強だけではない多くの学びができる
その他のメリットとして、受験勉強をしなくても良い。という少々後ろ向きなメリットだけでなく、ペーパーテスト的な勉強だけでなく、多くの体験型教育や、探求型学習が盛んに行われています。
これは、多くの中高一貫校でも、リベラルアーツ教育として、積極的に取り組まれていますが、進学校では、付属校とは違い、高校2年生以降受験モートにシフトする関係で、必ずしも十分な教育ができているとは限りません。
付属高校であれば、受験勉強のみならず、多くの体験や学習を余裕をもって行うことが可能です。
部活動や好きなことに集中して取り組むことができる
通常の進学校は部活動を積極的に行えなかったり、浪人覚悟で部活動に取り組むことになりますが、付属高校は受験勉強がないため、思う存分好きなことに集中して取り組むことができます。
高校3年間の思い出は一生の思い出にもなりますので、とても貴重な体験となります。
将来設計について多くの時間考えることができる
進学校であれば、とにかく希望する大学であるか希望する学部であるかに関係なく、まず入学試験を合格することが必要です。
そのため、自分が将来なりたい職業はなにか。将来どんな人間になりたいか。
という点においては後回しになる傾向があります。
付属高校であれば、早い段階から、大学の学部や将来設計について、余裕をもって計画をすることができます。
早い段階で、司法試験の対策を行ったり、公認会計士の対策を行ったりと、大学生になってから本格的に勉強を始める人と比べても、非常に有利に勉強を進めることができます。
付属高校のデメリットは?
今までは、付属高校の良い点について紹介してきました。
ただ、メリットだけでは全ての生徒が集中してしまいます。
デメリットについても把握したうえで、付属高校の良し悪しを理解しましょう。
受験勉強がないため学力が伸びにくい
無事内部進学をすることができ、大学に入学することができたとします。
大学では非常に困難な一般試験を潜り抜けてきた猛者と同様に授業行っていく必要があります。
一般的に、付属高校生は、受験勉強がないため、基礎学力が一般学生と比べて低い傾向があります。もちろん、大学の勉強は大学受験科目のみの知識だけではありませんが、基礎学力に開きがあると、授業についていくのが困難になることがあります。
本当に行きたい大学・学部に行けないことがある
高校になって、将来の目標を考えたとき、内部進学する大学には、希望する学部が設置されていないことがあります。
そうなると、せっかく推薦権を得たのに、内部進学をせずに他大学の受験を考える必要があります。
また、学校の成績によっては、希望する学部に行けないことがあります。学びたいことと異なる学部に進学することで、ミスマッチが起き学業に集中して取り組むことができないことがあります。
早慶MARCH付属高校の内部進学率は?
では、具体的に、各付属高校が内部進学できる割合はどの程度になるでしょうか。
今回、2016年度の資料になりますが、早慶MARCHの大まかな進学率を掲載している記事がありましたので紹介します。
https://dot.asahi.com/print_image/index.html?photo=2017032300102_3
出典:AERAdot「あえて大学付属校」という賢い選択
このように、多くの付属高校が、70%を超える内部推薦率を有しています。
また付属高校にも種類があり、大きく分けて、「直系付属」・「系列付属」の2種類があります。
※実際には大学によって呼び名が異なります。
この「直系付属」については、大学と同じ学校法人が経営していることが多く、希望をすればほぼ全ての生徒が進学することができます。
また「系列付属」については、学校法人は異なるが、付属高校として連携を行っている高校のことで、30%~70%前後で内部推薦枠を有しています。
このような、私立難関校と呼ばれる大手私立大学に、これだけの割合で進学できるというのは非常にオススメです。
他大学併願制度とは?
他大学併願制度とは、在籍する付属高校から大学への推薦資格を保持したまま、他大学の受験ができる制度のことです。
これにより、仮に受験に失敗したとしても、内部推薦で進学をすることができるので、チャレンジをしたい生徒にとって非常に有利な制度となっています。
この制度はあまり知られていませんが、高校入学後にやりたいことが変わった場合や、自らの力を試したい生徒にとっては非常に有効な制度ですので、ぜひ積極的に活用することをオススメします。
ただし、付属高校によって取り扱いが異なり、またHP上には公表せず、実際の進路指導でのみ案内している付属高校もあるようですので、気になる方は実際に付属高校の進路指導部に問い合わせた方が良いでしょう。
ここでは、私が調べることができた早慶MARCHの他大学併願制度を取り扱う付属高校を紹介します。
・明治大学付属明治高等学校・・・私立大学では、明治大学にない学部・学科のみ受験可能。※希望学部によって異なる。国立大学については、いずれの学部・学科も受験可能。
・明治大学付属中野高等学校・・・国立大学については、いずれの学部・学科も受験可能。
・明治大学付属中野八王子高等学校・・・国立大学については、いずれの学部・学科も受験可能。
まとめ
いかがでしょうか。
付属高校のメリットからデメリット。また、内部進学率についても特色があることがわかりました。
また、付属高校は単に、エスカレーター式という点だけが評価されている訳ではなく、幅広い教養教育や、学習内容、将来設計の面でも非常にメリットも多いということがわかりました。
特に直系付属に入学することができれば、かなりの確率で所属大学に内部進学することが可能です。
ただし、他大学併願制度のようなものがない場合、将来やりたいが見つかったり、学びたいことが変わったあとの軌道修正は少し困難になります。
※本当にやりたいことであれば、推薦権は全て放棄するという選択肢もありますが。
この取り扱いについて、各付属高校・大学によって考え方も異なりますので、中学受験・高校受験をする際には注意が必要です。