今回は、志願者が多い大学について紹介します。
大学業界では、年度末から年度始めにかけて、各大学の志願者ランキングというもので盛り上がります。
このランキングにより、各大学のおおよその人気度を測ることができ、勢いのある大学、逆に勢いがなくなっている大学等がわかります。
この志願者ランキングは、単に偏差値が高ければ良いわけでもなく、逆に高校生が志願しやすい大学に集中する場合もあり、
ランキング結果が、大学の序列を決めるわけではありませんので、鵜呑みにしすぎないように注意しましょう。
志願者ランキングトップは?
2018年度志願者ランキングトップは近畿大学となりました。
近畿大学は5年連続でトップとなっており、志願者数は15万人を超えて独走状態となっています。
近大マグロの研究が有名な大学で、入学式では、卒業生で音楽プロデューサーの「つんく」さんが華やかな演出をしたことでも話題となっています。
2位は法政大学、3位は明治大学、4位は早稲田大学、5位は東洋大学、6位は日本大学と続き、ここまでが10万人を超える大学となります。
また、東洋大学、中央大学では、1万人以上志願者数が増加しました。
一方で、国公立大学のトップは千葉大学が70位台となり、唯一の1万人を超えています。
18歳人口の減少に伴い、実人数が減っているにも関わらず、志願者数を増やしている大学が多くあります。
これは入試の多様化によって、受験機会が増えていることが挙げられます。
そうはいっても、志願者数10万人を超える大学については、大学の規模にも左右されますが、教育内容や就職実績、立地等なんらかの『行きたい理由』があるということが言えます。
出典:東洋経済ONLINE「最新!「志願者数が多い大学」ランキング100」
定員管理の厳格化の影響は?
従来大学は、入学定員充足率(入学定員に対する入学者数の割合)を1.2倍までに抑えられることができれば、私学助成金というものが交付されていました。
この基準が年々厳しくなり、2016年度は1.17倍、2017年度は1.14倍、2018年度は1.1倍と年々厳しくなっています。
このことにより、ほとんどの大学が合格者の数を減らしました。多く取りすぎて、補助金がカットされることを嫌がったためです。
これらの動きにより、受験生達も合格可能性が減ることを感じ、併願する大学が増えたと言われています。
様々な要因により、受験者数は変化しますので、日々のニュースは事前にキャッチしておくことが必要です。
英語外部検定利用の導入~大学入学共通テストでも利用可?~
近年、入試形態に変化が生じています。
従来、各大学の学部一般試験とセンター試験のみでチャンスは少なかったのですが、現在は、学部一般試験、センター試験、AO入試(自己推薦入試)、大学全体共通試験とどんどんとその入試方式が増えています。
また、一般入試の中にも、3科目方式や5科目方式等、様々なタイプの方式での試験となっている大学もありますので、注意が必要です。
A大学のB学部に入学するチャンスが1回~2回しかなかったものが、現在は3回~5回ほどある大学(学部)があります。
これらのことから、人口が減っているのに、受験者数は変わらないもしくは増加している。という現象が起きています。
志願者数と実志願者数とは~本当に選ばれている大学は?~
志願者数というと、普通は併願をカウントした数字となります。
例えば、ある志願者が一般試験とセンター試験、全学試験を受けた場合、志願者のカウントは3名となります。
この延べ人数の中から、実人数(今回であれば1名)をカウントしたのが、実志願者数となります。
各私立大学は志願者数〇〇万人超え!という人気度をアピールするために、こぞって、受験方式を増やし、人数をかさ増ししてきました。
ある大学関係者は、「いまの述べ志願者数は実態を表していない」という声も挙がっているほどです。
AERAdotという雑誌で、この実志願者数のランキングが掲載されていました。
出典:AREAdot「本当に人気の私大は?」
実志願者数の順位で言うと、明治大学が6.1万で1位、わずかな差で法政大学が続きます。
その後は、日本大学、早稲田大学、東洋大学となりました。
志願者数15万の近畿大学の実志願者数は3万となり、その併願率は500%にもおよびます。(併願率=延べ人数を実志願者数で割ったパーセント)
実志願者が多いということは、それだけ行きたいと思った実際の人数が多いということが言えます。
また、これだけの併願が可能な大学は、入試に割引制度を導入している大学が多いです。
2学部目、3学部以降は受験料半額もしくはゼロ円といった具合です。
確かに受験料がかからないのであれば、とりあえず受験をしてみようといった発想にはなりそうで、これも一つの戦略だと思っています。
これらの数値はあくまで指標ではありますが、参考材料になると思います。
いかがでしたでしょうか。
今回は志願者数、実志願者数について紹介してきました。
大学業界に興味のある方は、ぜひ就職・転職を目指してください!